数学ソフトウェアとフリードキュメント XXVII

  • 2018年9月23日(日) 13:00–18:00
  • 岡山大学 津島キャンパス 理学部本館2階21室
  • 700-8530 岡山市北区津島中3丁目1番1号
  • 岡山駅運動公園口(西口)バスターミナル22番乗り場から【47】系統「岡山理科大学」行きに乗車.「岡大西門」で下車
  • 入場無料

組織委員会

  • 野呂正行 (立教大学)
  • 高山信毅 (神戸大学)
  • 濱田龍義 (日本大学/OCAMI)
  • 横山俊一 (九州大学)
  • 酒井高司 (首都大学東京)

後援

  • 日本数学会情報システム運用委員会

講演予定者(50音順)

  • 江木聡志(楽天技術研究所)
  • 丸山直昌(統計数理研究所)
  • 中川義行(龍谷大学)
  • 沼田泰英(信州大学)

プログラム

  • 13:00-13:50, “続・間違った GeoGebra の使い方”, 中川義行(龍谷大学)
  • 14:10-15:00, “他言語でのプログラミング経験者が最低限プログラミングできるようになるためのPythonの文法解説について”, 沼田泰英(信州大学)
  • 15:20-16:10, “1986年10月17日のアメリカ数学会からの訪問者”, 丸山直昌(統計数理研究所)
  • 16:30-17:20, “パターンマッチ指向プログラミング言語Egisonの上に実装されたカスタマイズ可能な数式処理システム”, 江木聡志(楽天技術研究所)

概要

  • 13:00-13:50, “続・間違った GeoGebra の使い方”, 中川義行(龍谷大学)
    • 数学教育において高い効果が期待できる GeoGebra であるが,どのようなソフトウェアでも使い始めたころは皆な初心者.そんな初心者のうちは,とにかく思いついたアイディアを色々と試してみたくなるものであり,そのために陥りやすいミスがある.
      • 詰め込み過ぎて,マシンスペックのことを失念する.
      • 凝り過ぎて GeoGebra の機能を殺してしまう.
      • GeoGebra が楽し過ぎて,数学教育という最大目的を失念する.
      • 作品を発表したいあまり,うっかり講演を引き受けてしまう.
    • そのような「間違った使い方」を実体験に基づく例を挙げながら説明する.
  • 14:10-15:00, “他言語でのプログラミング経験者が最低限プログラミングできるようになるためのPythonの文法解説について”, 沼田泰英(信州大学)
    • SageMath は, 数学の処理を行う汎用なソフトウエアであるが, Python のライブラリとして実装されており, 通常の Python でのプログラミングができれば簡単に使用できる. Sage days 39において, SageMath でプログラミングを目標として, Python のチュートリアルを行い, その際に簡単なテキストと Quick Reference をまとめ, 今も公開している. 今回は, それらのドキュメントをもとに, 他の言語でのプログラミングは経験があるがPythonでのプログラミングは未経験であり, Pythonでのプログラミングをしてみたいという人向けに最低限の文法解説および演習を行う. なお, インストールは各自出来ているものとして, Pythonのインストール方法などについては触れない.
    • 参考: https://goo.gl/GULYuu
  • 15:20-16:10, “1986年10月17日のアメリカ数学会からの訪問者”, 丸山直昌(統計数理研究所)
    • 1986年10月,アメリカ数学会職員 Taissa Kusma氏が来日し,17日には東京大学理学部数学教室でAMS TeX と MathSciデータベースのプロモーションを行った.この時の模様を話の出発点に,当時のパソコン事情,Mathsciデータベースの当時の状況とその後の変遷を振りかえる.
  • 16:30-17:20, “パターンマッチ指向プログラミング言語Egisonの上に実装されたカスタマイズ可能な数式処理システム”, 江木聡志(楽天技術研究所)
    • Egisonは,正規表現のような効率的で強力な表現力を持つパターンマッチを,数式のような正規形を持たないデータ型を含む任意のデータ型に対して,ユーザーが定義できるプログラミング言語です.Egisonを使うと,ユーザー自身が定義した数式データ型に対して,パターンマッチエンジンをユーザー自身が簡単に定義できます.本講演では,このようにして実装された数式処理システムを紹介します.さらに,この数式処理システムには,テンソルの添字記法をプログラミングに自然に導入するための独自の機構や,シンボリックな関数(例えば,f(x,y))の引数を,紙の上と同様に省略して(例えば,fと)プログラム上でも記述するための独自の機構が実装されています.本講演では,これらの機能の紹介もします.